お客様の声|株式会社椋本工務店さま|一番の理由は、社長が茅葺きの技術者であるということです
茅葺き屋根を維持することの意義をどのようにお考えですか?
昨今、日本の近代的建築物は工業技術の発展とともに進化し、住宅の建築技術についても素晴らしいものがあると思います。
それに対して、日本古来の建築技術をもって建てられた建築物は、現在の工場生産による建材などの材料とは全く異なった材料が使用されています。
先人は、自然の中にあり手近に調達できる材料を使用し建築しておりました。
山から切り出された材木、田畑で栽培された果樹や野菜などは、山村や農家では生活のための資金となり、自らの家屋、生活の道具等は、資金化したのちの雑木、雑草、米麦の収穫後の藁などで作られ、質素な生活であったと想像できます。
農山村の茅葺住宅は、日本人が忘れてはならない質素倹約の精神に合致すると思います。
建築技術者の立場で茅葺住宅の構造を見てみますと、柱や梁に使用されている木材は広葉樹材(欅、桜、栗など)が多いです。
壁は土塗り、床板は引き立ての松板、栂などが多く、屋根の小屋組垂木は杉丸太及び竹の野地に茅葺きがされており、釘などは多く使われておりません。
木材を器用に加工し、藁縄、棕櫚縄、藤蔓などで組み立てています。
現代の工業製品の素晴らしさは言うまでもありませんが、日本古来の建築物はやはり、建築を志す者にとって、忘れてはならない日本の原風景であり、建築の原点であると思います。
茅葺き屋根の建物の魅力を教えてください。
建築材料が全て自然界に存在する物であること、補修の際には手近なところで材料手配ができること、高価な材料は使用しなくてもよいことであったと思います。
工業が発展した現代では逆に茅葺き屋根は高価な材料になってしまいましたが、人も生物である以上、自然界から調達された材料の家で暮らせることは、心身の健康を考えた時に充分魅力的だと思います。
山城萱葺に依頼した経緯や理由は?
一番の理由は、社長(山田氏)が茅葺きの技術者であるということです。
山城萱葺の職人の仕事ぶりはいかがでしたか?
若い年代の職人さんがとても頑張ってくれていて素晴らしいです。
今後ともよろしくお願いします。
株式会社椋本工務店
代表取締役 椋本 純央さま
茅葺き屋根を維持することの意義をどのようにお考えですか?
日本の原風景を保存するために不可欠だと思います。
茅葺き屋根の建物の魅力を教えてください。
初めて茅葺き屋根の葺替工事を請け負い、まっさらな屋根の完成写真を見た時、家の3分の2が屋根で、まさに「日本昔ばなしの世界やん」って感動しました。
実際に、完成した建物の縁側に座って屋根の厚みと雨のしずくを見ていると、気持ちがほどけるような静かな心持ちになって、非日常が感じられるその位置から屋根を見るのがとても好きです。
山城萱葺に依頼した経緯や理由は?
念仏寺陀々堂の茅葺屋根葺替工事で、地元小学校の生徒さんに現場公開をした時、社長さんが子供達にとても大切な話をしてくれました。
茅場は人間の住んでいるエリアと獣の住んでいるエリアの緩衝地にあって、人間と獣はそれぞれが茅場の恩恵を被っていること、葺き替えで下ろした茅はゴミではなく、肥料になったり畑の雑草よけなどに再利用され最後は土に還ること、今は特にそのことをよく考えなければならないと思います。
そういう話を広く世間に発信していただきたいと思います。
山城萱葺の職人の仕事ぶりはいかがでしたか?
女性や若い職人さんもいらして、夏は猛暑の中、冬は火気厳禁のため暖の取れない寒さの中にもかかわらず、とても熱心にお仕事をされている姿に頭が下がります。
これからも仕事に誇りを持って励んで下さい。
株式会社椋本工務店
取締役 椋本 玲子さま