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エッセイ3「別嬪さん2」

2006年4月に沢井家住宅の全面葺きかえの際、屋根下地(骨組み)もすべて新築された。

合掌あるいは叉首とよばれる巨木を先端で交叉させ、そこに屋中とよばれる太い横材を90cmおきに取付ける。

さらに40cm〜45cm間隔で垂木をながし、これを藁縄で「ハコ結び」という結束方法でまかれる。

最後にエツリと呼ばれる細い竹を20cm間隔で、あるいは手を広げた大きさの間隔で横に流す。

わたしは、はじめて屋根の仕事に直接携わることができたのは、このエツリの下地の結束であった。

ワラ縄でエツリと垂木を締めていくのである。

ここで用いられる結束方法が、「男結び」と呼ばれるものである。

これが非常に難しい。何度挑戦してもうまくできない。

後年振り返ると、「男結び」は相当の鍛錬が必要で、一日練習しただけではとてもそのコツを習得できるものではなかった。

ふと、まわりを見渡すと、職人さんたちがヒョイヒョイと男結びで縄掛けしている。

できたものを触ってみるとガチガチに結束されているではないか。

下地の上に数人のってびくともしない。

すごい。縄で結んだけで、こんなにも丈夫な下地が組めるんだ。

こうしてあっといまに、巨大な「屋根カゴ」は完成された。

 

私はふと下地を見回して驚愕した。

なんとその下地はすべてワラ縄によって結束されているではないか。

瓦屋根よりも遥かに重い茅葺きである。

その重量を支える下地が、縄だけで結束されているのである。

「えっ。これで、大丈夫なの?」わたしが、正直に感じた最初の感想である。

これで何十年も何百年も崩壊しない丈夫な屋根ができるのだろうか?

早速親方に聞いてみると、「ずっと下地はこれだけやで」という。

疑問と不安を感じたまま、「へーっ」と関心していると、すでに職人さんたちは、手早く次の工程に移っている。

職人のヘルメット
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職人が綴ったコラム

かつて山城萱葺で働いていた職人が、茅葺きの難しさとおもしろさ、現場での苦悩や発見をコラムとして綴ってくれました。なかなか言葉で語られることのない茅葺きの世界。ご興味のある方は、のぞいていただければと思います。

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