笹葺き1
本日から数回に渡って、笹葺き屋根の連載を行いたいと思います。
私自身、先週は神奈川、長野、京都と3県で笹葺き屋根関連の仕事を行ってきました。
ただこれは偶然であって、笹葺き屋根の仕事が短期間に数件あるのは珍しいことです。
笹葺き屋根とは、茅葺き屋根の1種で、笹で葺かれた屋根のことを指します。
茅葺きはススキやヨシ、ワラ等の草系植物の材料で葺かれた屋根の総称ですので、笹葺き屋根のその中の一つと言えます。
茅葺き屋根といえば、ススキやヨシで葺かれた屋根が一般的ですが、日本では丹後半島や能登半島、北海道等の一部の地域で笹葺き屋根が存在していました。
全国的にも珍しい屋根で、今ではおそらく全国で10件ほどあるぐらいではないでしょうか。
材料となる笹の調達も難しく、事業(商売)としてヤネフキ笹の販売をしている業者はありません。
今では、笹葺き屋根専門の職人もいません。
経営資源で重要なヒトとモノの確保が厳しい笹葺きですが、弊社では縁あって10年ほど前から、笹葺き技術に出会い、笹葺き屋根の保全・修復の事業を行っています。
今回の連載では、3県の地域で行われている笹葺き屋根の保存活用事業から、それぞれの特徴や活動内容について紹介したいと思います。
勝坂遺跡(神奈川県相模原市)の笹葺き竪穴住居 笹離宮(長野県茅野市)の笹葺き窖(あなぐら)
上世屋(京都府宮津市)の笹葺き屋根家屋