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エッセイ7「タマとオクタマその1」4

わたしが「場所」を過去にエッセイで問題にしたように、場所とは、人間と環境の関係性が自然であるかどうかが重要であった。

人間と環境の関係性が自然である場所が、「つち」であるとすれば、歌舞伎町という都市景観は、商業施設がひしめき、激しい客引きが展開されるように

「つち」から切り離された人間と人間がコミュニケーションをとるためには逆説的にも有機的で効率的な姿である。

そのような意味では、東京の都市景観も猥雑な看板、派手なネオンサイン、様々なテナントが詰まった雑居ビル、これら剥き出しにされた都市景観は、

土門拳がスナップで撮ったように一定の美しさをたたえているともいえる。

 

それは写真としてのうつくしさである。

切り取られた美しさである。

コラージュ・シティ(コーリン・ロウ)やテクスト(ロラン・バルト)としての都市と言われるように、都市は切り取り、バラバラにし、解きほぐせるものであった。

その断片と断片で文脈が成り立っており、そこに間隙や行間に意味を見いだし読み解くものであった。

ものすごいスピードで圧倒的な量のモノと情報が絶えず流れてゆく、すべてがプロセスであるような場所が都市であった。

そうした流れの中の時間的な一瞬の断片に写真としての美しさが見いだせたのであった。

都市の建築もそのような断片としてなりたっている。

人間と環境との関係性が自然であるかどうかではなく、設計図さえあれば「いつでもどこでも」建設可能である。

極論をいえば西新宿の都庁は、土地さえあれば渋谷でも池袋でも建設は可能なはずである。

そうしたコピー&ペーストが可能な建築が近代の建築であり、都市の建築であった。

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