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笹葺き4

笹葺き連載の第3弾は、京都府宮津市上世屋の笹葺き集落です。

図4

上世屋は丹後半島の中央に位置し、かつては多くの笹葺き民家があった集落でした。
しかし、豪雪や大火、若者の離村等の影響により、集落で笹葺き屋根を維持することが難しくなり、トタンを被せる屋根が増えました。
30年前に最後の笹葺き民家がトタンを被せた後、集落での笹葺きは行われていません。

その集落のなかで唯一残ったのが、笹葺き屋根の体験実習施設です。
集落のシンボルとして30年前に、地元住民が中心となって建設されましたが、それ以降ほとんど活用されず、屋根が朽ちていきました。

図1

その施設を有効活用しようと立ち上がったのが、地元のNPOや企業、そして立命館大学の丹後村おこし開発チームという学生団体です。
10年前から笹葺き屋根の修復を開始し、5年かけて笹葺き屋根を全面葺き替えしました。

図2

丹後地方では20年ぶりの笹葺き屋根の再生となりました。
丹後半島には、笹葺き職人も一人しか残っておらず、笹葺き文化の消失が目の前まで迫っていましたが、現在でもこの活動は続けられており、丹後の笹葺き文化の維持継承が行われています。

山城萱葺では、活動当初から笹葺き再生活動に関わっています。

毎年10月、11月は、笹葺き屋根に必要な笹を刈り取る作業が行われています。
笹葺きが行われなくなったことにより、笹場の状態も非常に悪くなっていましたが、毎年手入れをすることで良質な笹が生え、良い環境になりつつあります。

以前は集落の共同作業であった笹葺きが、現在では学生を中心とした活動によって維持され、新しいカタチで笹葺き文化が根付いています。

図3

次回は最終回として、これまでの笹葺き連載のまとめを行いたいと思います。

職人のヘルメット
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かつて山城萱葺で働いていた職人が、茅葺きの難しさとおもしろさ、現場での苦悩や発見をコラムとして綴ってくれました。なかなか言葉で語られることのない茅葺きの世界。ご興味のある方は、のぞいていただければと思います。

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