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茅葺きの新しいカタチ2

今回も茅葺きの新しいカタチをテーマに、茅葺きの将来性について考えてみましょう。

前回のコラムでも書いたとおり、ヨーロッパでは茅葺き市場が年々拡大しています。
茅葺きは成長市場と言えるでしょう。

そのヨーロッパでも、一昔前までは茅葺きの新築が禁止されていたりして、日本と同じような状況でした。
では、なぜヨーロッパでは茅葺きが見直され、今のような状態になったのでしょうか。

茅葺きは、古くから受け継がれてきた伝統産業の一つです。
日本には茅葺きの他にも、伝統産業や伝統工芸と言われる産業が多数見られます。

しかし、そのほとんどは市場ニーズとのミスマッチや後継者不足、海外の安価な製品との競争等により、産業自体が消滅し、技術が途絶えてしまっているものも多くあります。

そのような伝統産業の中には、新しい市場ニーズをうまく取り込んで、伝統技術を活かした新商品を開発・販売したり、海外に販路を拡大して成功している企業も存在します。

伝統産業界でも、このように衰退・消滅する企業もあれば、拡大・成長している企業もあります。
その違いは一体どこにあるのでしょうか。

取り扱い商品やターゲット顧客層、販売単価等も違いますので、単純に比較することは難しいですが、これらの企業の違いは『市場の変化にうまく対応できたかどうか』にあると私は考えます。

自然科学者のダーウィンの名言に以下のようなものがあります。

『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』

有名な言葉ですので、皆さんも聞いたことがあるでしょう。

生物も企業も、『変化に対応する』という点では共通するものがあります。
爆発的なヒット商品を開発・販売して、売上が急拡大したとしても、市場ニーズの変化に気づかなければ、そのヒット商品もいつかは売れなくなります。
経営学者のクリステンセンも著書イノベーションのジレンマで同じようなことを述べています。

伝統産業とは、古くから受け継がれてきた技術や工法を用いた商品を提供している企業が多いです。
しかし、そのすべての商品が大昔からあったわけではなく、時代の変化に対応して、商品を作り替えています。
時代によって必要とされるもの、そうではないものは必ず存在します。

長く伝統産業として存在していきた企業は、この市場の変化にうまく対応し続けてきたからこそ、生き残ることができていると言えるでしょう。

茅葺きの話に戻します。
前回のコラムで書きましたが、日本の茅葺き市場は年々縮小しています。

旧来の利活用の方法では、需要が縮小していることは事実ですが、茅葺きの魅力を再発信し、新しい市場ニーズをうまく取り入れることにより、茅葺きの価値を高めていくことはできるはずです。

新しい茅葺きのカタチを模索しつつ、日本の茅葺き市場の拡大に取り組んでいきます。
次回はその事例の一つを紹介して、このテーマを締めくくりたいと思います。

職人のヘルメット
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職人が綴ったコラム

かつて山城萱葺で働いていた職人が、茅葺きの難しさとおもしろさ、現場での苦悩や発見をコラムとして綴ってくれました。なかなか言葉で語られることのない茅葺きの世界。ご興味のある方は、のぞいていただければと思います。

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